夢小説 鍵師 <2周年記念> [夢小説]
ある街の路地裏に、小さな店があった。
木造の見るからに貧相な小屋で、入り口の上に「鍵」の一文字。
中に入ると、テーブルの上に奇妙な形をした、得体の知れない塊が幾つも雑然と並べられている。
看板の名にそぐわず、鍵らしきものは見当たらない。
夢小説 埋蔵金 [夢小説]
「これでぇッ、最後にぃッ、なるのかなっ!!」
男はとある山村にある横穴で、ツルハシを振り下ろす。
その言葉には二つの意味があった、
一つは黄金の小判の詰まった宝箱を掘り当てること。
もう一つは思い浮かべたくもないこと。
夢小説 瞼の下の実験 [夢小説]
冷戦下のアメリカ。ソビエトとの核開発競争は熾烈を極めた。
壁を築き、自分の身や弱みを懸命に隠しながらも、
相手のことに限っては、特に弱みを見つけ出そうと必死になる。
相手を見失うことも許されず、近づきすぎれば我が身が危険な、恐怖の両想い。
両国は互いに、相手の見えない場所から致命的な一撃を加える機会を得ようと、策を巡らせた。
そこで核ミサイルや原子力潜水艦が考えられた。
だが目に見え、音が聞こえるのには変わりなく、運用は難しい。
そこで、ある実験が行われることになった。
夢小説 王墓の完成 [夢小説]
ある大陸に大きな砂漠があった。
毎年乾燥が続き、砂漠は広がっていく一方だった。
周辺の村は砂に埋もれ続け、人々は昔から、やむなく家や田畑を捨て続けてきた。
周辺の村の人々には、こんな伝説が伝えられていた。
夢小説 水滴 [夢小説]
その男は大きな商社に勤め、出張で頻繁に世界中を飛び回っていた。
だがその座席はエコノミークラスがもっぱらで、地位も低く、
低い収入に見合わず、身も心も疲れ果てていた。
入社当時の、燃え滾るような意欲は、もう失っていた。
明日も朝一番で、地球の裏側に行かなければならない。
会社の昼休み、男は近所の公園のベンチで、ボンヤリと宙を見ていた。
夢小説 視界の隅に [夢小説]
男は「ああー、眠い。」と、うめいて食卓に座ると、
体を捻り持ってきた新聞を読み始めた。
向かいに座る、彼の妻と息子には、起きてから目を合わせようともしない。
湯気の立つ味噌汁とご飯が彼の妻によってよそられるが、
男は相変わらず新聞から目を離さない。